座禅中に眠くなる原因 続編

室温、服装、コタツ効果

坐禅は必ず目を開いて行ないます。
ただし、前提として、決して砂糖の入った食べ物や飲料を摂らないことです。

坐禅中の室温―意外に見落としがちな点

坐禅や瞑想をして、なぜか眠いという場合、単純に室温が高すぎることが原因の場合があります。

冬季ですと、自宅や自分のお寺で一人で坐る場合、暖房もつけることが多いと思いますが、室温が20度以上は暑すぎます。
坐禅・瞑想にその温度は不適切です。679969


15-16℃くらいが理想的です。
室温が高いと眠くなります。

少し寒いなというくらい、ちょっと身が引き締まる感じというくらいの室温にしてください。

わたしの感覚では、18℃は坐禅には高すぎる室温だと思います。


逆に、低温すぎるのはよくありません。30代後半以上の年齢の場合、9℃以下にはしないほうが良いでしょう。


坐禅は苦行やガマン大会ではないし、達成感を味わうものではありませんので、冬なのに、9℃以下の温度にはしないほうがよろしいです。


あまり寒すぎるとかえって眠気を催します。

冬山で遭難すると、眠気がやって来て、そのまま眠って凍死するということはご存じだと思いますが、寒すぎると体表だけでなくて、深部体温をも下げてしまいます。

深部体温が下がると、眠さがやって来ます。

ですので、室温が低すぎるのも坐禅修行をするのによくありません。


専門僧堂によっては、臨済宗の一部の僧堂では、真冬でも禅堂のすべての窓を全開するところがあります。


京都の妙心寺の僧堂では、窓を閉めて坐禅をしますが、同じ京都の右京区で、妙心寺の近くの天龍寺の僧堂では、窓を開いたまま坐禅をします。

妙心寺ほど寒くない東山区にある建仁寺や東福寺の専門道場も窓を真冬でも全開です。

年中、坐禅の時には、すべての障子窓を開けるので、戸外で坐禅しているのと同じです。


それは寒すぎて、逆に眠気を催す可能性が高くなります。

一応言っておきますが、そんな状況でも慣れれば真冬でもそんなにきつくないですが、若さゆえの力なのかもしれません。
雲水は基本的には大卒で入門し、早い人で3年くらいで道場を下りるからです。


曹洞宗そうとうしゅうでは、道元禅師どうげんぜんじが、坐禅には暑すぎるのも寒すぎるのも良くないと仰っていて、それが守られているので、まだ大丈夫です。


曹洞宗の場合は、専門僧堂が寒い地方にある場合が多いのですが、冬には禅堂に火を入れています。
ご存じなかったでしょう?


曹洞宗のE寺の僧堂も禅堂の中で火を焚いていますが、それが映ってしまうと、「厳しい修行」じゃないと思われるので、TVなどのマスコミはそこは触れません。 


寒すぎるところで坐禅すると膝を傷めるかもしれません

そして、室温が低すぎると、
20才台ならともかく、40歳以上の中年あるいは老年に達している人の場合は、寒さで膝を傷めてしまう可能性があります。

一旦膝を傷めてしまいますと、さらに高齢になった場合、結跏趺坐や半跏趺坐が組めなくなる可能性があります。
あぐら は予想以上に膝を傷めますので代わりになりません。

もちろん、椅子に座ってでも坐禅はできるのですが、やはり結跏趺坐・半跏趺坐ができるに越したことはないです。

なので、寒冷で膝を痛めないようにして下さい。


あとで、述べますように、膝(lap)全体ではなくて、膝(knee)の頭だけに何かを掛けてプロテクトして坐禅・瞑想して下さい。

ブランケットでなくても、タオル一枚置くだけでも(左右の膝の頭だからタオル二枚)、膝は守られます。

※日本語で「膝ひざ」という場合、正座やあぐらなどで、腿(もも)のことを指す場合があります。1341480
例:膝枕

英語では、lap と呼んで、区別しています。
laptop ラップトップ ノートパソコン(和製英語)の英語はlaptop    膝lapの上に置けるほど小型のパソコンの意


服装によっても坐禅中・瞑想中に眠気を催します

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室温を下げているからと言って、頭に帽子を被ったり、首にマフラーやスヌードを巻いたり、ストールを肩に羽織ったりすると、それが原因で眠くなります。

坐禅・瞑想中には、頸部や頭部は暖めないようにするのが良いと思います。


もちろん、自分は肩が冷えると体調を崩すというような場合、その人は、肩をプロテクトする必要があります。


また、ひざ掛けを使うことで、炬燵こたつ効果となり、ちょうどコタツに入ったら眠くなるように、ひざ掛けをして手足が温もって、坐禅中に眠くなることもありますので、ひざ掛けもあまりおすすめではありません。

膝を冷やさないように、膝の頭だけを覆うようにすれば良いです。ひざ掛けはすすめないのです。


つまり、坐禅を始める時には、少し寒いなというくらいがよろしいようです。


胴体の部分は、ダウンジャケットなどは良いと思います。
お坊さんも庫裏くりではダウンジャケットを着て、坐禅しても構わないと思います。


特に暖房をつけずに、しかも8℃から14℃になっている場合、服装としてダウンジャケットを着ながら坐禅をしてもそれが原因で眠くはならないというのが自分の経験です。


瞑想中・坐禅中の眠さの原因―コタツ効果

実は、坐禅の姿勢自体が、コタツ効果が発生し、手足を温めて眠くなるのです。1298923

ある時、坐禅中に眠くなった時に、法界定印ほっかいじょういんを外すだけで眠さが飛ぶことにふと気づきました。

あるいは、組んでいる脚と脚をちょっと引き離してやるだけで、なぜか眠さがなくなることに気づきました。

「ははあーん、手足が温かくなって、コタツに入ったのと同じなんだ。
だから眠くなるんだ」



じゃ、組んでいる手足を一度開放すれば良いのです。


この目覚ましの方法は効果的です。

もちろん、前夜に睡眠不足でないことが前提になっています。


坐禅会・瞑想会などでは、流石に、皆が坐禅・瞑想しているのに、自分だけ立ち上がって経行(きんひん)するのも気が引けます。

公式な坐禅会の場合ですと、そもそも、それは禁止されていて、一炷(ちゅう、しゅ)の間は我慢しないといけない場合も多いです。

そういう場合は、法界定印をそっと解いてみます。

あるいは、組んでいる脚を解かなくても良いので、上の脚を他の脚から一旦引き離してみてください。
引き離すというのは、両手を使って、右脚から左脚を離すように少しだけ持ち上げるということです。

すると、あらま、今までの眠気が吹っ飛んでスッキリとします。


自宅で一人でされている場合は、自由ですので、眠さを感じたらすぐにこの方法でやってみてください。


これで駄目なら、立ち上がって、その辺を歩きましょう(経行(きんひん))
裸足がおすすめです。(坐禅は、靴下や足袋を履きません)

そうか、冷たい水で手を洗う、顔を洗うなどします。

これによって、手足の皮膚温が下がるので、眠気がなくなります。


再び坐禅・瞑想をやって、それでもまた眠気が来るようでしたら、
15-20分のパワーナップ仮眠をします。



すでに申し上げましたように、

● 深部体温が下がる
● 手足の温度が上がる

のどちらかになると、眠くなるのです。

ですので、坐禅の姿勢自体が手足の皮膚温を高めてしまい、結果、眠さを催しやすいのです。

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体温と眠さの関係については、右の本がとても詳しく、役に立ちました。

 『スタンフォード式 最高の睡眠』 です。これ一時期電車の吊革広告で派手に宣伝されていた本なので、ずっと興味はなかったのですが、最近睡眠学を調べる必要があって、購入しました 良い本です。

深部体温が下がると眠くなること、
手足の皮膚温が上がると眠くなること
が書かれています。



結跏趺坐や半跏趺坐のような、手足の温度を上げるような姿勢が眠気をさらに促進するのです。



特に

睡眠不足でもないし、

砂糖を摂取したわけでもないし、

食事後すぐに瞑想や坐禅するでもないし、

室温も低めなのに、

坐禅を組むとすぐに眠くなる、
もしくは坐禅を組んでしばらくすると眠くなるという場合、

炬燵コタツ効果で眠くなっていると考えられます。


その時の対策は、コタツを壊して下さい。

・法界定印(ほっかいじょういん)を解く。hokkaijoin2法界定印とは右図のような指の組み方・印いん

・組んでいる脚を解かなくても良いので、手を使って、右脚から左脚を離すように少しだけ持ち上げて、一旦引き離してみてください。

・それで駄目なら、静かに座を立って、経行(きんひん)するか、洗面時で冷水を使って、手を洗う、顔を洗うかしてください。
手足の皮膚温を下げると目が覚めます。


瞑想や坐禅をしていて、少しでも眠気を感じたら、坐禅をただちに中止して、立ち上がって、歩く(経行(きんひん)する)ことは、これは大変重要なことです。

眠いにもかかわらず、眠さと戦ったり、 目をつぶって眠気が去るの待つことは、決してしてはいけません。眠気の誘惑には断固負けずに、身体を動かして下さい。立ち上がって下さい。

上記の方法をやってから、あらためて坐禅を組んでやはり眠くなる場合、15分から20分のパワーナップ仮眠法をやって下さい。
仮眠には注意点がいくつかありますので、書籍などをしっかり読んで、実践して下さい。

パワーナップの時には、冬季でしたら、帽子を被ったりマフラーやスヌードをして、肩から首などを暖かくすると、眠りやすくなります。

カフェなどでパワーナップを取る時に、寝顔を他人に見られたくないという場合、見られていては仮眠できないという場合、顔を隠すためにマスクが有効です。頭はフードや帽子をかぶります。

そうすることで、他人との、その場との隔絶感ができますので、安心してパワーナップできます。
あとは、慣れです。




瞑想中・坐禅中に眠くなる癖だけは決して付けない

眠気に負けて、何の対策もせずにそのまま坐禅を続けると、見事に居眠り坐禅の習慣となります。

坐禅中に眠気があるのに、そのまま坐禅をすること、
坐禅中に眠ること、
は悪徳中の悪徳です


悪徳だと思っていないから、最悪なのです。

わたしは、専門僧堂で10年も居眠り坐禅をしていました。


それこそ、何十年も坐禅しているのに(というか、坐禅していないのですから)、坐禅中に眠いので、修行が少しも捗らないというようになってしまいます。


本当に申し訳ないのですが、そういう人、ベテランの修行僧、僧侶、坐禅会に来ているベテランの方々にたくさんおられます。
ベテランにならなくても、ちょっと坐禅に慣れるとすでに居眠り坐禅の癖がついているひとがいます。

めちゃくちゃ多いのです。


宝くじに当たるより低い確率で、2億円にも5億円にも替えられない、仏教に出会ったのに、大変もったいないお話です。



達人が睡眠時間を削っても坐禅できるわけ

なお、坐禅が出来ている人は、頭脳でエネルギーが消費されなくなった分熱エネルギーのロスがなくなり、深部体温が上がりますので、多少手足の皮膚温が上がっても、深部体温と皮膚温との温度差がしっかり保たれているので、眠くなりません。

また、こうなると睡眠を摂っているのと同じになり、就寝して脳を休める時間が少なくて済みますので、睡眠時間を多少削っても、昼間に眠くならないのです。


もう一つ言えば、日頃から、深部体温を下げないような健康管理が必要です。
そして、頭脳を使いすぎないことです。

東洋医学では、夏でも冷たい飲み物を飲まないのが良いとされています。

深部体温を上げると、ガンにも罹りにくい体質となります。



今日は、なぜかうまく文章が書けません。分かりづらいのになってしまいまして、申し訳ございませんでした。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました(管理人)。



でも、

ちょっと待ってください。このままブログを閉じずに、↓↓


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現代の日本に夜中も眠らず坐禅できる人たちがいる
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