東大卒の僧侶・川上雪担せったん老師の伝える坐禅の秘訣2


坐禅のやり方・坐禅の秘訣

「 座禅の方法はまったく単純なもので、心・意・識がさまざまに出る、妄想です、その内容によらない、どんないい考えもわるい考えもです、それをそのまま手つがずにしておくんです。

 手を付けると、どこまでも妄想発展であ-でもない-でもないどうのこうのとやっている、あるいはなにをどうすべきとお仕着せしたり食み出したりです。


「心・意・識をぽっと出りゃぽっと出たままにしておく」
 これだけなんです。他になんにもないんです。


坐禅の結果―座禅したらどうなるのか

 結果どうなるかというと、「心・意・識から自由になれる」ということです。

言い換えると、「自分が自分の奴隷にならない」ということ、よくお考え下さい、たったこれだけがすべての問題に解決を与える-一切解決済みの実感です。」


坐禅のノウハウが必要 ノウハウとは◯◯のこと

ノウハウが必要 

ノウハウとは先輩ー先に実証した人


ところが心・意・識に手を付けない、たったこれだけがなかなかできないんです。
 只管打坐(しかんたざ)というでしょう、
「ただうちすわる」
ということです。ただではただにならないんです。

たいていの人ただと云っては、自分に手を付けるんです、
手をつけないといっては、自分を眺め暮らす、ちょっと坐ってみるとその風景が見えて来ます。

坐らない人はごたいそうなこと云うけど、どうもおいそれをは行かない、わずかに自分という爪から先がさっぱり云うこと聞いてくれん、どうにもこうにもなんです。

 だから解脱といい悟りといい身心脱落というんです。
 くんずれほんずれの自分から、抜け出す解脱ですよ。

 どうしてもノウハウが必要です、ノウハウってね正師(しょうし)です、先に行った人です。」


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東大卒僧侶・川上雪担老師のプロフィール

東大卒で元数学教師の川上雪担老師のプロフィールは下に。

※東大卒とかどうでも良いのですが、最近東大卒の僧侶が多くなって、活躍されていることが多く、そのキーワードで検索する人も多いので、こんなタイトルつけました。 当たり前ですが、本物は、学歴関係ありません。
お坊さんの社会も人間社会なので、学歴があると道場の安居期間が短くても住職資格が取得できるということがあります。臨済宗も曹洞宗も。
最近は義理人情を重んじる世界の方々も学歴重視で、京大卒の組長さんもかなり多いそうです。義理人情よりも学歴だって。


川上雪担老師略歴
昭和11年(1936)生 横浜市出身。音楽・文学に造詣が深い。モーツアルトが大好き。
昭和30年(1955) 東京大学理科二類に入学。医者になるはずがドストエーフスキー、宮沢賢治、シェークスピア、リルケ、小林秀雄にモーツアルト、近代絵画などに惹かれ、8年後独文科卒業。

東京大学卒業後、3年間高校の数学教師を経て、出家。

発心寺専門僧堂に掛搭して、師家・原田雪水老師の弟子となるも、井上義衍老師の名声を聞き、(昭和40年頃)僧堂を抜け出して浜松龍泉寺に行き、井上義衍老師に参禅。

龍泉寺は貧乏寺につき、境内のお堂や山の下の空き寺に雲水の斎藤大心和尚と一緒に托鉢して、自炊しながら、義衍老師に参禅。
この間、省(せい)(気づき、小さい悟り) あること度々。

大心和尚も、発心寺専門僧堂を飛び出してきた一人。
(雪担老師が僧堂に掛搭していた当時の発心寺の維那(いのう)和尚の雪渓師はかつて僧堂を飛び出てすでに井上義衍老師に参じて、発心寺専門僧堂に帰って来て、維那和尚となっていた つまり、井上義衍老師のところの先輩に当たる)

のち、横浜の総持寺専門僧堂に掛搭(かた・かとう)。(発心寺専門僧堂は飛び出していたので、住職資格が取得できていなかったためと推測される)

新潟県三条市・東山寺の住職となるも、義衍老師の摂心には通い、また、義衍老師を師家(しけ)として拜請(はいしょう)して、東山寺で摂心を行う。ある時、脱落す。

井上義衍老師の印可証明は断ったと自分自身で書いておられる。
弟子に「だれか俺を印可してくれ」と(弟子に印可してもらうというのは深い意味があります)。

平成23年(2011年)に突然遷化(せんげ)。在世中からネットを駆使してブログやmixiなどでも法を説かれていた。
「普勧坐禅儀」「心経」「仏教について」など本職関係の作品の他、「なむねこエッセイ」「歌集東山寺四季一、二」「北海鱒釣り歌」など著作多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

会下(えか=参禅者)からは東山老師と呼ばれる。